この記事について
- 能面
- 能面は角度と光の当たり方によって表情変化する
- 日常的な微細な表情を表現できる
- 表情
- 代表的な研究者はエクマン
- 西洋人と東洋人とでは表情認知で違いがある
能面「小面」の表情について
能面「小面」は、頰のあたりがふっくらとした若い女性の顔です。近年の研究から、角度と光の当たり方によって表情を大きく変化させます(蓑下, 2015)。
また一番の特徴として、日常生活で見られる微細な表情を表現できるという点があります。
以下の画像は、私が研究で使用した画像です。私の研究では、能面のパーティグッズを使用しています。微細な表情の変化を表現できる為、基本感情よりも多く、詳細な感情を表すことが可能になります。
能面「小面」が作り出す微細な表情は、能面テストという対人関係能力を計測できる質問紙もできています。
能面テストは,対人関係能力だけでなく、空気を読む能力や、感情状態を正確に表現する機能の検査として用いることができるとみなされています。
この能面テストは、西洋人と東洋人では表情認知の結果において、差があることがわかっています。川合(2013)によると、東洋人よりも西洋人の方が表情認知の精度は高く、表情の中でも東洋人は恐怖を驚きと混同し、嫌悪を怒りと混同する結果となりました。
この結果の背景には、東洋人は口元を西洋人よりも注視しない為このような混同が発生します。
表情研究について
表情は、様々な側面から研究されています。
- 目から心理を読み取る課題(RMET)
- エクマンによるFACS(Facial Action Coding System)
- 能面テスト(蓑下, 2015)
などがありますが、ほんの一部です。
また、エクマンは表情の研究の代表者ではあります。しかし、日本人にはエクマンの研究結果が当てはまらないという結果が佐藤ら(2019)の研究から、わかっており、再検討が必要であることが考えられています。
最後に
今回は、表情認知の研究についてや、能面の表情認知の研究について簡単に紹介しました。
これからまた詳しく紹介するので、よろしくおねがいいたします。
引用文献
蓑下 成子(2015).心理検査に使う:能面テスト –社会適応能力を測定する心理検査− 基礎心理学研究,34(1),119-126.
川合 伸幸(2013). 能面とモナ・リザとハローキティ
佐藤 弥・嶺本 和沙・吉川 左紀子 (2019). Facial Expressions of Basic Emotions in Japanese Laypeople, Frontiers in Psychology, 10, 1-11.
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